プエラリアを摂取すると乳がんのリスクが高まる?

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プエラリアを摂取すると乳がんのリスクが高まると言われている理由

プエラリアを摂取することで乳がんのリスクが高まると言われていますが、実際のところプエラリアと乳がんの因果関係は医学的に証明されていません。
また、プエラリアに発がん性物質が含まれているといった報告もありません。
では、なぜプエラリアは乳がんのリスクが高まると言われているのでしょうか?

女性ホルモンエストロゲンは、乳がんのリスクを高める

乳がんの7割は、ホルモン感受性乳がんであると言われています。
エストロゲンの分泌量が低下する40歳代に乳がんの発生率が高いのは、エストロゲンが減少することで少しでもエストロゲンと結合したいエストロゲン受容体が増えます。
乳管上皮細胞ではエストロゲン受容体が増え、エストロゲンと結合していく中でがん細胞内にあるエストロゲン受容体と結合すると、細胞分化、細胞分裂が進み乳がんの発症、増殖につながるというのが、エストロゲンが乳がんのリスクを高めるという理由です。

プエラリアにはエストロゲン様作用がある

プエラリアは直接的にエストロゲンを増やす作用はありませんが、プエラリアに含まれる植物性エストロゲンがエストロゲンと構造が似ていることでエストロゲン受容体と結合することができるため、エストロゲン様作用があります。
この作用によって間接的にエストロゲン活性が期待できるというわけです。
このプエラリアのエストロゲン様作用が、プエラリアが乳がんのリスクを高める根拠です。

プエラリアと似ている大豆イソフラボンに、乳がんのリスクを低下させる?

プエラリアと似ている健康食品に大豆イソフラボンがあります。
大豆イソフラボンは、エストロゲンと構造が似ているためエストロゲン受容体と結合することが出来ます。
これによって大豆イソフラボンもプエラリアと同じようにエストロゲン様作用があります。
大豆イソフラボンは、エストロゲンの分泌量が少ない時は、余っているエストロゲン受容体と結合することでエストロゲン不足を補います。
一方でエストロゲンの分泌量が多い時は、エストロゲンの代わりにエストロゲン作用の弱い大豆イソフラボンがエストロゲンと結合することで抗エストロゲン作用があります。
この抗エストロゲン作用が乳がんのリスク低下につながると言われています。
国立がんセンターの研究でも食事からの中程度のイソフラボンの摂取は乳がんのリスクを低下させるという結果が出ています。
となると、プエラリアの植物性エストロゲンにもイソフラボン類は含まれていますから、プエラリアにも乳がんのリスクを低下させる作用がある可能性は考えられます。

結局、プエラリアは乳がんのリスクを高めるのか?

プエラリアが乳がんのリスクを高める可能性はゼロではないと言えます。
というのは、まずプエラリアは直接的にエストロゲンを増やす作用はないですし、同じような効果がある大豆イソフラボンにはむしろ乳がんのリスクを低下させる作用があるから、プエラリアも乳がんのリスクは少ないという考え方が正しいような気もします。
一方でプエラリアに含まれる植物性エストロゲンのエストロゲン様作用は、大豆イソフラボンの約40倍とも言われていることや、プエラリアに含まれる植物性エストロゲンの中には、エストロゲンに匹敵するほど強いエストロゲン様作用を持つものもある(ミロエステロールなど)ことから、エストロゲン活性を強めることで乳がんのリスクが高まるという考え方も間違っているとは言い切れません。
ですから、医学的には証明されていませんがプエラリアが乳がんのリスクを高める可能性はゼロではないのではないかと思います。
特に乳がんを発症している方などはプエラリアの摂取を控えるべきです。
また、心配ならば定期的に乳がん検診を受けることをオススメします。
また、当然ながら過剰摂取は、それだけ乳がんのリスクを高めますから通常の摂取量を守って安全なプエラリアの摂取をすることが大事です。

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